耳の症状について

このような症状の時はご相談ください

耳の症状について
  • 聞こえにくい
  • 耳鳴り
  • めまい
  • 耳が痛い
  • 耳垂れ
  • 耳の詰まった感じ
  • 痒み
  • 頭が痛い など

耳の主な疾患

突発性難聴

ある日突然、耳の聞こえが悪くなる病気です。難聴と同時に耳鳴りやめまいが生じることもあります。めまい症状がひどい場合は強い吐き気が生じることもあります。発症前に精神的・肉体的疲労やストレスが溜まっていることも多いため、これらとの関連性が指摘されていますが、詳しい原因は分かっていません。

病気の原因は、まだはっきりとは解明されていませんが突発性難聴の治療にはステロイドホルモン剤、ビタミン剤の投与と安静による治療が有効とされています。聴力の低下が軽度の場合は内服薬による通院加療でも改善することがありますが聴力の著しい低下を認める場合や日常生活があわただしい方などは、入院加療が望ましいこともあります。なかなか治療が難しい面もありますが、早く治療を開始することで聴力の回復も早まる可能性が高いと言われています。

メニエール病

突然起こる回転性のめまい発作に加え、片耳のつまったような感じ(トンネルの中に入ったような飛行機に乗った時のような詰まり感)や耳鳴り(低い音の耳鳴りが生じる方が多いです。)や片耳の聞こえにくさ、めまいによる悪心・嘔吐などの症状を伴う病気です。初期の段階では、しばらく安静にしていると発作が治まるのですが、病気の進行に伴って聴覚障害が徐々に進行していき、断続的に耳鳴りなどが続いてしまうこともあります。

良性発作性頭位めまい症

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外耳炎

耳の入り口から鼓膜までの通り道が細菌・真菌などの病原菌によって感染し、炎症を起こす病気です。体の表面の皮ふと同じように外耳道の皮膚にも、もともと黄色ブドウ球菌などが付着していることがあります。健康な状態のときは殆ど増殖しません。しかし、耳の穴に指を入れて引っかいたりすると、そこに傷ができ、そこから細菌感染してしまうことがあります。

耳に痒みがある、耳漏が出る、耳が痛い、詰まっているような感じがする。このような症状が出てきたときは、外耳炎を患っている可能性があります。ひどくなると激しい耳の痛みが生じることがあるため放置はせずに耳鼻咽喉科での診察、治療をされることをお勧めします。

外耳湿疹

外耳道に出来た傷や、剥がれた耳垢がふやけて病原菌が繁殖することにより外耳道に発疹できる病気です。耳垂れ、耳の中から異臭がするときは外耳湿疹が疑われます。免疫力が低下したときや、高齢の方によくみられます。この他、耳かきなどで外耳道を頻繁に掃除する習慣がある人も出現しやすいと言われています。

中耳炎

中耳(耳の鼓膜の内側)に炎症が起こる病気であり、幾つかの種類があります。最もよくみられる「急性中耳炎」は、鼻の奥にある耳管を通じてウイルスや細菌が中耳まで侵入することにより、中耳に炎症を引き起こします。中耳に膿が溜まり、痛みを伴うこともよくあります。黄色い色のついた鼻水が出ているときに生じやすいです。乳幼児期や学齢期は成人よりも耳管から中耳へ炎症が伝わりやすいため小児においては風邪をひいて鼻水、鼻づまりがおきている時は中耳炎に対して注意する必要があります。

この他、中耳に滲出液が貯留する「滲出性中耳炎」、鼓膜に孔が開いた状態が続いて慢性的に炎症が起こる「慢性中耳炎」、胎生期に吸収されず残った上皮が増殖する「真珠腫性中耳炎」などもあります。

耳あか

耳垢腺や皮脂腺からの分泌物、ホコリなどが外耳道に溜まり、固まったものを耳垢と呼んでいます。通常は徐々に外側へ移動していき、自然に耳の外へと排出されます。しかし、耳かきをして耳の奥の方に押し込んでしまう、水泳や洗髪の際に耳垢が水分を含んでふくらんでしまうことにより外耳道(耳の穴)が塞がってしまうこともあります。そのような場合は、無理に耳を触らずに耳鼻咽喉科を受診して耳垢の除去(専門的な耳掃除)をしてもらうようにしましょう。

耳鳴症(耳鳴り)

実際には外部からの声や音がしていないのに、何かが聞こえるように感じる症状です。耳の奥から「キーン」、「ザー」、「ピー」などの不快な音がしたならば、耳鳴りの可能性があります。様々な検査を行っても、検査結果は正常範囲のこともあり、判断が難しい側面も有しています。

原因については、内耳の聞こえを感じる部位である蝸牛有毛細胞の異変、中耳炎の慢性化、メニエール病、突発性難聴などが指摘されていますが、特に原因が見当たらないケースも沢山あります。

脳循環障害

脳の血管の一部が狭くなったり、塞がれたりすることにより、血液の流れが滞る状態です。小脳や脳幹の機能が低下し、めまい、舌がもつれる、物が二重に見える、手足の痺れ、倦怠感などの症状が起こります。激しい頭痛や意識の混濁などの症状を伴う場合は、脳出血などの疑いがありますので、一刻も早く専門医療機関を受診するようにして下さい。

老人性難聴

聴神経の加齢による変化によりあらわれる聞こえの低下症状です。高音の聞こえから悪くなる方が多いため聞こえ方が悪くなる前に高音の耳鳴り症状で気づかれる方も多いです。 聞こえの低下だけではなく言葉の聞き取りも悪くなることがあり聴力検査では軽度の聴力低下であるにもかかわらず日常会話に不自由割れる場合は聞き取りの検査(語音聴力検査)を行うこともあります。

加齢により低下した聴神経の機能を回復させることはできないため聴力の程度によっては補聴器の装用をお勧めすることがあります。

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小児難聴

内耳や中耳の障害によって小児期に引き起こされる先天性・後天性の難聴です。決して珍しいケースではありません。新生児健診の際の聴覚スクリーニング検査で見つかることもあります。遺伝的な要因のほか、妊娠中に母体が風疹やヘルペス感染に罹患したとき、ある種の薬物服用などで起こることもあります。
小児期におたふくかぜに罹患することにより片側の聴力が失われることもあります。聞こえがいいほうの耳のみで不自由なく生活できるため聞こえにくいと訴えないことも多く就学時検診等で聴力低下が判明することがあります。

通常、言語やコミュニケーション能力は生後2~3年の期間に急速に発達します。難聴の発見が遅れると、これらの能力の発達にも悪影響が出てきます。新生児聴覚スクリーニング検査を受けていただくか新生児、乳児が音に対して反応が悪いなという場合は耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。