喉の症状について

このような症状の時はご相談ください

喉の症状について
  • のどが痛い
  • 飲み込みにくい
  • 異物感
  • 声がかすれる
  • 舌が痛い
  • 味がしない
  • 咳が出る など

喉の主な疾患

咽頭炎

咽頭が腫れている疾患です。風邪やインフルエンザなどに罹患したときによく見られます。風邪以外でもホコリや刺激性薬物を吸い込んだときにも炎症を起こすことがあります。タバコを吸われる方は、慢性的に炎症を起こしやすい状態なので、十分注意するようにして下さい。(もちろん、禁煙することがベストです)。

咽頭炎になると、のどに痛みや痒みがでてきます。咳や痰がでることも多くひどくなると声がかれてくることがあります。咽頭炎が重症化すると気管の入り口である喉頭まで粘膜の腫れがおきて呼吸困難が起きることがあります。喉頭が著明に腫脹する急性喉頭蓋炎ではひどくなると窒息することもあります。
急激にのどが痛くなり水も飲みにくい場合は危険な状態になることがあります。痛みで水が飲めない、くぐもった声になってきた という場合は急性喉頭蓋炎が生じている可能性があるため早急に耳鼻咽喉科を受診してのどが腫れていないかの診察を受けてください。(喉頭ファイバースコープは診察室ですぐに行うことができます。)

口内炎

口腔内やその周辺部位に炎症が起こる状態です。口の中を噛んでしまって傷ができたとき、ビタミン不足、疲労・ストレスが溜まっているときによく見られます。通常は口腔内を出来るだけ清潔に保ち十分にビタミン(特にビタミンB群)を摂取する、しばらく安静にすることで炎症が治まるのですが、長期化することもあります。その場合は、全身性の病気が潜んでいることがあります。耳鼻咽喉科にて必要な診察、検査を受けることが大切です。

治療はビタミン剤(ビタミンBが中心となります)、炎症を抑える含嗽薬(アズレン系)、ステロイドを含んだ軟膏の塗布などが中心となります。全身性の病気が見つかった場合は、その治療が優先となります。

舌痛症

表面上は何の異常も認めないのにやけどをしたときのように舌がピリピリと痛みだす状態をいいます。男性よりも女性に多く、歯科治療を受けた後に発症するこもあると言われています。

舌に腫れや発赤などが出現しないため、「気のせいだ」と思い込んで放置されている方も少なくないようですが、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入薬などを用いた薬物治療を受けることによって改善する可能性があります。
また、口腔内の乾燥や全身疾患から生じることもあります。異常を感じた場合は耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

舌のできもの(良性・悪性)

舌の表面や側面などに生じるできもの(腫瘍)です。同一部位に繰り返しできる口内炎、舌に物理的な刺激が長期間加えられると(虫歯や古くなった治療歯が原因になることがあります。)腫瘍が出来やすいと言われています。喫煙や飲酒も原因となることがあります。良性の場合は、治りが悪くても経過観察で問題はありませんが、良性腫瘍の中には悪性化するものがあるため放置することはおすすめできません。

悪性腫瘍(舌がん)の場合は、腫瘍の大きさ、リンパ節転移が起きているかで治療が大きく変わってきます。早期であれば腫瘍とその周りの正常な組織を少しつけて切除を行なった後に放射線療法と薬物療法を併用することで完治できる場合もありますが進行すると舌の大部分を切除する必要があり治療後の生活に支障が出てくることがあります。とても厄介ながんの一つであり、再発や転移の可能性もあります。
安易に組織の採取を行うとそこから周囲の組織に癌が広がることや転移をおこす原因となることがあるため、悪性腫瘍を疑うような腫瘍の場合は、検査から治療まで一貫して行える基幹病院の耳鼻咽喉科へ紹介をすることになります。

喉頭炎

気管や食道の入り口に近い部位を喉頭と言います。咽頭炎が広がって喉頭に炎症が起きることが多く飲みこむときに痛みが生じることが多い疾患です。
急性喉頭炎はウイルスや細菌感染によって喉頭が腫れ上がり、喉の痛み、声がかすれる、声が出しにくい、呼吸がしにくい、のどが痛くて飲みこむことができないといった症状が現われます。喉頭蓋という部位が腫れてくると炎症の程度によっては呼吸困難が出現することがあり気道閉塞により窒息することもあります。
喫煙や飲酒のほか、車の排気ガスや工場の煙などを長期間吸い続けることによって喉頭の粘膜が常に軽度の炎症をともなっている状態(慢性化)になることもあります。

治療に際しては、抗菌薬、消炎薬の内服、ステロイド薬の吸入治療を行います。声がかれている場合は声帯を安静に保つためになるべく声を出さないようにします。喫煙や飲酒は症状を悪化させますので、避けるようにしましょう。
急性喉頭蓋炎が生じている場合は程度によっては気道閉塞から窒息がおこり命にかかわることがあるため腫れが強い場合は気管切開が可能な施設に入院して点滴治療を行うこともあります。

扁桃炎(扁桃腺)

口の奥左右にある口蓋扁桃(一般的に扁桃腺と呼ばれることが多いです。)が炎症を引き起こす疾患です。のどの奥が赤く腫れ上がり、高熱や寒気、頭痛、関節痛などが出現します。特に、喉の強い痛みが特徴です。細菌性の急性扁桃腺炎の場合は顎の下(顎下部)のリンパ節がよく腫れます。

治療に関しては、扁桃炎を引き起こしている原因によって異なります。扁桃腺が赤くはれて白い斑点が全体に付着している場合は細菌性の扁桃腺炎が生じています。この場合は抗生物質の内服を行わないと悪くなることが多いため適切な抗生物質の投与を行います。体力が落ちているときなど体の調子が悪いと喉頭炎から喉頭蓋炎を引き起こすことがあります。
溶連菌による扁桃腺炎の場合は、扁桃腺炎がきっかけとなり腎臓の働きが悪くなることがあり咽頭の症状だけでなく腎臓働きにも注意が必要です。細菌性の急性扁桃腺炎と同じような症状を引き起こすものにEBウイルスというウイルスが原因となる扁桃腺炎があります。

症状は細菌性もウイルス性も喉が痛くなる、熱が出ることは同じですがウイルス性の炎症には抗生物質は効果がなく対症療法が中心となります。EBウイルスによる扁桃腺炎は伝染性単核球症という疾患です。名前に伝染性とついていますが大抵の方はEBウイルスに小児期に感染しているため必要以上に怖がらなくても大丈夫ですが唾液を介して感染するため感染者と同じ食器で食事をしない、感染者はマスクを着用して周囲に広げないようにする必要があります。小児期には感染しても何の症状も出てこない場合が多いのですが小児期を過ぎてから感染すると、強い咽頭痛、発熱、頸部リンパ節腫脹、倦怠感が出現してきます。口の中を間接すると細菌性の扁桃腺炎とは違い口蓋扁桃にべったりと塗りつけたような白苔が付着していることが多いです。頸部のリンパ節も顎下部だけでなく首全体が腫れてきます。ウイルス性の場合は対症療法が中心となります。細菌性の扁桃腺炎を併発することがあるため抗生物質を投与する場合もありますが細菌性扁桃腺炎では第一選択となるペニシリン系の抗生物質を投与することは禁忌となっています。EBウイルス感染により肝機能が著しく低下することもあります、肝機能障害に対しては安静治療が必要となります。咽頭痛のために食事摂取が出来ない場合は入院の上で点滴による水分補給を行う場合もあります。
細菌性、ウイルス性共に通常は1週間から10日程度で症状が落ち着きます。
高度の炎症を伴う扁桃腺炎を1年間に何度も繰り返す場合は口蓋扁桃を手術で摘出することもあります。

風邪(かぜ)

鼻腔から咽頭までの上気道に急性の炎症が生じる病気を総称して「風邪症候群」と呼んでいます。ライノウイルスやコロナウイルス、一般細菌、肺炎マイコプラズマなどのウイルス・細菌が上気道内の粘膜に付着し、増殖することによって発症します。これらのウイルスは飛沫感染などによって広がっていきますので、外出時にはマスクをする、外出後は手洗いとうがいを欠かさない、などの予防対策を行うことが大切です。

風邪の治療には特効薬はありません。症状を抑える薬の内服と安静治療が中心となります。2次感染により急性扁桃腺炎、急性副鼻腔炎が併発することがあります。その場合は抗生物質の投与を行うことがあります。

声帯ポリープ

声帯にこぶ状のポリープが出来る疾患です。声を出す部分に不都合が生じるため、声がかれたり、喉に痛みが生じたり、思い通りの声が出せなくなります。主な原因は、喉の酷使(声の出し過ぎ)です。声帯の周囲の粘膜が弱っているときに、声を出し続けたり、風邪などによる咳が続くことで声帯周囲の粘膜が傷つけられると、粘膜にポリープが発生してしまうのです。

初期の段階であれば、声を出さないようにして声帯を休ませ、消炎薬を使用することで治療します。声を出さずに治療を継続すれば徐々に症状が治まるかたが大半ですが数週間経過してもポリープが治らないときは、顕微鏡下でのポリープ切除術を行うことになります。

睡眠時無呼吸症候群

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