頸部・顔の症状について

このような症状の時はご相談ください

頸部・顔の症状について
  • 頸部や顔などが腫れている
  • 赤くなっている など

頸部などの主な疾患

リンパ腺(リンパ節)の腫れ

ウイルスや細菌などに感染して体内で増殖したり、腫瘍が出来たりすると、リンパ節が腫れてきます。顎の下から首にかけては非常にたくさんのリンパ節があり様々な疾患により腫れてくることがあります。

ウイルス性の感染症などの場合は、通常は抗菌薬や消炎鎮痛薬などの薬物療法により、1~2週間程度で治ります。薬物治療を行っても改善しないリンパ節腫脹は悪性リンパ腫、結核性リンパ節炎、悪性腫瘍のリンパ節転移のこともあります。長引くリンパ節腫脹に関しては血液検査、リンパ節を摘出しての組織検査等が必要なことがあるため専門的な検査から治療が行える病院へ紹介をおこないます。(2センチを超えるリンパ節腫脹の場合は悪性疾患の可能性があります。その場合は経過を診ずに診察当日に基幹病院への紹介を行うことになります。)

甲状腺の腫れ

甲状腺は、のどぼとけのすぐ下にある重さ10~20gの臓器です。小さいのですが、全身の新陳代謝や成長の促進に関わるホルモンを分泌するなど、重要な働きをしていています。甲状腺疾患は緩やかに症状が出現します。そのため、全身疲労感、むくみ、便秘、動悸など様々な症状に対して検査を行ったところ甲状腺機能異常がみつかることが多いです。 甲状腺腫瘍も自覚症状が生じて発見されるより他の疾患のために画像検査を行ったところ甲状腺腫瘍を指摘されるこということもめずらしくありません。

甲状腺の病気は急激に悪くなることは少なく適切な治療をおこなえば日常生活で不自由することはありません。甲状腺腫瘍に関しても非常にゆっくりとしたペースで増大してくるため良性であれば3cmを超えるまで、悪性であってもある種を除いては1cm以下であれば手術を行わずに経過観察を行うことになります。予後不良のタイプもあるため甲状腺腫瘍を指摘された場合、放置はせずに経過観察をおこなうものか手術が必要なものなのか診断を受ける必要があります。
また甲状腺疾患を有している場合は定期的な甲状腺機能の血液検査を受ける必要があります。
ヨードの摂取は控えていただくことになります。海藻類を食べることや、うがい薬も茶色をしたヨード系含嗽薬の使用は控えていただくことになります。

耳下腺炎(おたふくかぜ)

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、ムンプスウイルスによって唾液腺に炎症が起こり、耳の下の方が腫れてくる感染症の一種です。学校保健安全法で第二種伝染病に指定されているため、耳下腺に腫脹がある間は学校に行くことが出来ません(出席停止)。大人の場合も、感染拡大のおそれがあるため、出勤停止が望ましいと考えられています。

流行性耳下腺炎に罹患すると、耳下腺腫脹のほか、リンパ部の痛み、発熱、食欲低下などの症状がみられます。通常は1~2週間ほど安静にしていることで軽快します。但し、髄膜炎や髄膜脳炎、片耳の高度難聴、睾丸炎、卵巣炎、膵炎などの合併症を引き起こすことがありますので、容体に変化が見られたときは、早めに医療機関を受診するようにして下さい。

おたふくかぜという名前からは両方の耳の下が腫れてくる印象がありますが左右どちらかだけが腫脹してくる場合や感染は生じているにもかかわらず耳下腺は腫れてこない場合もあります。

顎下腺炎

顎下腺は、顎の両サイドの下にある唾液腺の一種です。顎下腺からは少し粘り気のある唾液が分泌されています。唾液は消化を助けるとともに、口臭予防や誤嚥性肺炎の予防などの役目も果たしています。炎症などにより唾液の流れが悪くなると唾石という石のような塊が顎下腺の中や唾液腺から口のなかに唾液を運ぶ管のなかにできることがあります。唾石が徐々に大きくなってくると食事の時などに顎下腺が膨らみ、痛みが出てきます。

唾石のできた部位が口腔の近くのときは、口腔内から粘膜を切開し、唾石を取り除くことが出来ます。しかし、奥の方にできたときは、全身麻酔下で摘出を行います。顎下腺の中にできている場合は皮膚を切って顎下腺ごと摘出することになりますが顎下腺から唾液を運ぶ管に入るところにできている場合は口の中から切開をして唾石の摘出をすることが多くなってきています。