鼻の症状について

このような症状の時はご相談ください

鼻の症状について
  • はなみず
  • 鼻づまり
  • くしゃみ
  • 鼻血
  • 鼻がかゆい
  • においがわからない
  • いびき など

鼻の主な疾患

アレルギー性鼻炎(花粉症)

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蓄膿症(副鼻腔炎)

副鼻腔(鼻の穴の周囲にある空洞)に膿や鼻の粘膜から出てくる分泌液が溜まることによる粘稠性鼻汁(ねばねばした鼻水)や、細菌感染による膿性鼻汁(黄色や緑色をした鼻汁、嫌なにおいがすることもあります。)が流れ出してくる病気です。鼻粘膜が腫れることも多く高度の鼻閉(鼻づまり)が起きることがあります。風邪などの時には鼻の入り口から鼻腔内に炎症を起こして鼻水が出てきます。通常は風邪が治るにつれて炎症も治まりますが、完全に治りきらない場合などは鼻腔の炎症が長引いてしまい、その奥にある副鼻腔に炎症が生じて副鼻腔炎が起きることがあります。
アレルギー性鼻炎(花粉症)の時も、鼻閉症状が強く出現している場合には副鼻腔炎が生じることがあります。(アレルギー性副鼻腔炎)

副鼻腔炎の主な症状は、鼻が詰まる、白色や黄色のネバネバした鼻水が頻繁に出てくる、鼻呼吸が出来ずに口で呼吸するようになる、においが分からなくなる、頭痛、発熱、目の奥の痛みなどです。

治療にあたっては、色がついている鼻水は細菌感染が生じた為に出てくるため、治療としては抗菌薬(抗生物質)や消炎薬、膿の排出を促進させるために去痰薬などを用いて治療を行います。鼻の中をきれいにしてから抗生剤の入ったネブライザー吸入を行い、副鼻腔の換気と排泄を促すこともあります。感染による急性副鼻腔炎から慢性副鼻腔炎になった場合やアレルギー性副鼻腔炎、特殊なタイプになりますが好酸球性副鼻腔炎の場合は鼻の中にポリープ(鼻茸と呼ばれることもあります。)が生じることがあります。内服薬、点鼻薬を用いた治療を行っても改善しない場合は手術が必要になることがあります。最近では鼻の手術は内視鏡を用いて鼻の穴から行うことが主流になっています。

鼻出血

鼻腔の中の粘膜が傷つけられ、出血がおきた状態です。特に入口近くの粘膜には毛細血管が張り巡らされているため簡単に出血が生じます。指で鼻の粘膜をこすったり、外傷や感冒などで刺激が与えられると鼻血が出ることがあります。鼻を触っているつもりはなくても鼻をこする、顔をごしごし洗うことにより鼻粘膜が間接的にこすられて出血が生じることもあります。特に高血圧症の方などは血管が破れやすい状態になっているため、血圧が正常な人と比べると鼻血は出やすく、血圧が高い分止まりにくいです。

治療を行うには鼻の中をよく観察し、出血部位を突き止めなければなりません。大抵は鼻の入り口からの出血であるため血の塊を取り除くと出血部位が明らかになりますが鼻の奥からの出血の場合はファイバースコープを用いて出血部位を確認することがあります。必要に応じて血液検査などを行うこともあります。

止血の基本は圧迫止血(傷口を押さえる)になります。最もよく出血する部位は、鼻の入り口から約1㎝入ったところにあるキーゼルバッハという部位(鼻の穴を左右に隔てている鼻中隔という壁の部分になります。)になるため、まず両鼻をつまむようにして圧迫して下を向きます。よく左右の目の間のやや下で鼻をつまんで上を向く人がおられますが目と目の間は骨があり鼻の中を圧迫することはできません。また上を向くと鼻から出てきた血液がのどに流れ込んで気道(空気の通り道)をふさいでしまう事があり大変危険です。鼻血が出た場合は、あわてずに鼻をつまんで下を向きましょう。5分ほど鼻をつまんで出血が落ち着きましたら小指の太さに固めた脱脂綿などをゆっくりと鼻に挿入して1時間ぐらいはそのままにしてください。通常は止血できますが綿球をとると再び出血が起きる場合は綿球を詰めたままで耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。
出血を起こしている部位がファイバースコープを用いてもわからない場合は、副鼻腔に腫瘍ができていることもあります。その場合は、鼻血が治まって状態が落ち着いた後にCT、血液検査等の検査を行うことになります。
当院では難治性の鼻出血に対してはサージトロンという器械を使用して粘膜を焼灼することで止血をおこないます。

鼻腔腫瘍

鼻の中のデキモノのことを鼻腔腫瘍といいます。鼻の中には様々な種類の腫瘍ができます。
大半は良性の腫瘍ですが、悪性腫瘍ができることもあり中には内臓の癌が鼻に転移して腫瘍を形成することもあります。

良性腫瘍としては鼻の炎症を繰り返すことによってできる炎症性のポリープや好酸球性副鼻腔炎によりできる好酸球性ポリープ、良性ですが出血が生じると止血が困難な血管腫、良性ではありますがまれに悪性転化といって癌になる可能性を秘めた乳頭腫などが生じてきます。

悪性腫瘍は頭頚部癌としては扁平上皮癌が多いですが分泌腺由来の腺がんや悪性リンパ腫、体のほかの部位にできた癌の転移癌や骨転移が生じることがあります。
血管腫、乳頭腫や悪性腫瘍は出血を起こすことも多く、難治性の鼻出血の原因になります。また腫瘍による高度の鼻閉(鼻づまり)症状を訴えて耳鼻咽喉科を受診される方もおられます。

鼻副鼻腔は眼球・脳と薄い骨で境界されている部位であるため鼻以外の症状により判明することもあります。
鼻腔内の腫瘍は内視鏡手術により摘出することが主流となってきています。初期であれば悪性腫瘍であっても鼻の中からの内視鏡手術により腫瘍の摘出を行いその後放射線や化学療法といった追加治療を行うことで根治することも可能となってきています。
鼻の調子がいつもと違うと感じた場合は耳鼻咽喉科での診察を受けてください。